トラタック（トラタカ）瞑想は、ヨーガの伝統的な瞑想技法です。サンスクリット語の「トラタカ=凝視する」が語源となっています。
トラタック瞑想のやり方は簡単で、一点を凝視し続けるだけというシンプルな技法です。一点を凝視する対象としては、仏像やキャンドルを用いるのが一般的です。
きわめてシンプルですが、瞑想に慣れていない方でも入りやすい優れた技法です。
瞑想は何かの目的を持って、はじめるようなものではないのですが、凝視訓練法として視力回復にも役立つと言われています。
私たちの思考は目によって動かされることが多く、情報収集の8割は目を通じて行われていると言われています。
綺麗な女性を見れば「あの子とデートができたらなぁ、でも断られたらどうしよう」と思考が動きを始めたり、
八百屋の前を通れば「今日の晩御飯にこの食材があれば、冷蔵庫のお魚と合わせてあれを作ろう、でもカロリーが高いなぁ」などと、両目から入る情報を通じて思考が動きます。
そして、一つの情報をもとにAからB、BからCへと数珠つなぎに思考が連想し続けていくのです。
トラタック瞑想は一点を凝視し続ける瞑想法です。一点を凝視し続けていると、目の動きを止めることになり、思考も動きを止めることになります。
そして、両目を動かしていたエネルギーが行き場を失い、すぐ近くにある第三の眼へと流れ込みます。両目を動かしていたエネルギーが流れ込むことで第三の眼が開かれていく。これがトラタック瞑想という技法です。
こうして、思考が行き場をなくし、無の瞬間に放り込まれることがあれば、その瞬間が瞑想の境地にあるといえるでしょう。
1.キャンドルを目の高さに配置
（燭台を用意できればベスト）
2.背骨を伸ばして坐ります
3.キャンドルの炎を凝視し続けます
一点を凝視し続けていると、涙が出たり目が痛くなったりします。慣れるまでは無理がない様にまばたきをしてもいいでしょう。慣れてきたら目が痛くなっても涙が出てきても、キャンドルを凝視し続けます。
極めてシンプルな技法ですが、一点凝視の瞑想で悟りを開いた人物もいる程、強力な技法でもあります。
また、リンクナチュラルでは、一人で瞑想に取り組むことが難しいと感じている方に向けて、定期的にキャンドル瞑想会を開催しています。トラタック瞑想を実践なされたい方は、瞑想会を利用するのも良い手段となるはずです。