想いがカタチになる(2)

2019年から縁あって奉納舞をお伝えする講座を執り行っています。参加者全員が白い衣装に舞布を纏い、神前の舞台へと上がります。舞台に上がるまで、一日中お稽古に励み所作の一つ一つを身体で覚えていきます。

 

例えばお辞儀をするという、たった一つの所作であっても、繰り返しお稽古して身体で覚えていきます。お稽古を続けていくと、美しいお辞儀とはどういう所作なのかが理解できるようになります。

 

美しいお辞儀とは心が下がることで成り立っています。お辞儀をするという所作そのものではなく、どこまで想いが込められているか。想いがお辞儀をするというカタチへと反映されていきます。

2019年4月に執り行った河口浅間神社でのご奉納
2019年4月に執り行った河口浅間神社でのご奉納

日常的に何気なくしているお辞儀であっても、相手への敬意が込められていれば、想いがカタチへと反映され、美しい所作になります。神前での奉納は特別な世界でも何でもなく、一つ一つの所作を通じて、想いがカタチになるという自分自身の在り方を学ぶ時間になります。

 

日常生活や仕事において、料理を作ること、接客など人をおもてなしすること、物を作ったり、言葉や動きなどで何かを表現すること。レシピや製造工程、何を話すか、といったことも大切ですが、どのような想いがあるのか振り返ることも必要なことです。想いはカタチへと反映されます。

2019年4月に執り行った大峯本宮天河大辨財天でのお稽古風景
2019年4月に執り行った大峯本宮天河大辨財天でのお稽古風景