2020年大峯奥駈行(2)

今日は朝から大雨でしたが、奈良県の吉野から無事に下山しました。台風12号が紀伊半島に直撃するという情報があった影響で、予定より早めの下山になりました。

 

とはいえ12日間に渡り、山の中をかけずりまわっていましたから、自分の中の野生が芽生えているのを感じます。恐れの象徴として捉えていた熊鈴を付けることなく、獣臭を嗅ぎつける臭覚や気配を察することなど、様々な機会で自分の感覚を頼りにしてきました。

 

また、これまでの奥駈で足を運ぶことが出来なかった前鬼山や笙の窟などの行場にもゆっくりと逗留する時間を取ることが出来ました。 

大峯奥駈第73靡 金峯山寺
大峯奥駈第73靡 金峯山寺
大峯奥駈第72番靡の吉野水分神社
大峯奥駈第72番靡の吉野水分神社

山で野生を取り戻す

前半の五日間で出会った方はお一人だけ、四連休中には数十人の人と出会いましたが、連休が終わってからの三日間で出会った方は三人だけ。ほとんど誰とも出会わず、ひたすら呼吸に意識をおいて歩き続け、勤行して、瞑想する12日間でした。

 

いま京都まで辿り着きましたが、光や音、匂いが溢れかえっています。時にはテントを張って山で一日を過ごしてみる。現代に生きる私たちが野生を取り戻すために必要な時間なのかもしれません。